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2022.08.05ブログ

雅楽で一番最初に習うのは何故「越殿楽」「五常楽急」「陪臚」なのか??

「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」

 

こんにちは!雅楽演奏家・講師の山口創一郎です

 

本日はなんで雅楽の中で

 

1番最初に習うのが「越殿楽」

次に「五常楽急」

そして「陪臚」なのか??

 

そういったあんまり考えてこなかったことを

 

話していきましょう!

 

恐らく、雅楽をやる人のほとんどが、

 

この3曲を最初に習うことが多かったりします

 

一部飛ばしたりされているところもあったりはしますが

 

大方この3曲を最初に習うことがどこの団体もほとんどです

 

僕自身も、

はじめて雅楽を習った時は小学4年生

最初に習ったのはこの3曲でした。

 

実はこれには・・・

 

ちゃんとした理由があるのです

 

今日はその理由を今日は

紹介させていただきます

 

 

ちなみに1番重要なのは、最後に紹介するやつです!

ですので、今回の動画は是非

最後までご覧いただいて、

 

何故越殿楽・五常楽急・陪臚を1番最初に習熟するのか??


 

これを初心者の方も、そうじゃない方も

頭に入れておいていただければ幸いです

 

それではいきましょう!

 

まず1つ目は・・・

 

基本の拍子がこの3曲に詰まっているから


 

です!

 

そう、

 

越殿楽は早4拍子

 

五常楽急は早8拍子

 

陪臚は早只拍子

 

という、

 

3つとも実は拍子が別々だったりします


 

越殿楽と五常楽急は拍子の

とり方は特に変わりませんが

 

太鼓が入る位置などが違えば、

 

その影響なのか、テンポ感も少し

違ったりするところがあります。

 

実際の演奏はこちら





 

 

早4拍子は基本的に後半が軽快になりやすいですが

早8拍子はそこまで軽快になりづらいところが特徴的ですね

 

そして早只はそもそも拍の取り方が特殊です

 

2拍4拍の混合拍子なので、やはりテンポ感にしても

譜面の読み方にしても全てが変わるところが特徴的です

 

そして、この3曲以外のそれぞれの曲は

大体大方がこの拍子の取り方になるわけです

 

要は、この3曲さえやっておけば、

それ以降舞楽の曲目とか延管絃や

高麗楽などの曲に行かない限りは

基本的に拍子で苦しむことはなくなるのです

 

多少の応用が各曲入ってくるので、

そこは四苦八苦するところはあれど、

 

この3つさえマスターしてしまえれば他の曲はそこまで

四苦八苦することがなくなると行ったところですね

 

そして2つ目

 

難しいとはいえ、

 

平調って応用が少ない調子であること


 

も1つです

 

黄鐘や盤渉調の曲って

 

止め手で龍笛が演奏するフレーズとかあったり、

 

フィーチやチロなどかけぶきの中でもさらに

難しい応用の曲目が出てくるんですね。

 

そして五の音程はショウゼツ、低めしか出てきません

陪臚以降になると下無という高めの五も出てくるので

この使い分けが必要になってきます

 

壱越調の曲とかは指を回すとかが大量に出てこれば、

双調では譜面に表記がないところで

責に変えないといけないやらあるわけですね

 

鳳笙も他の曲目だとおぜ吹きという2拍で

着替える吹き方が出てきますし

 

「美」と「比」・

「行」という特殊な合竹も出てこれば

 

篳篥はフショウという特殊な音や、

六メル以外のメルの音も

他の調子になると出てきます

 

ただでさえ最初の方って

覚えることが大量にあるのに

こんないろんな技法が

出てこられたら頭パンクしちゃいますよね

 

そういった意味で、ちょうどいい調子

ちょうどいいくらいの技量が詰まっている

三曲といってしまえば、

 

これを最初にって考えた人は

本当によく考えられているなーと

関心するばかりです

 

そして3つ目

 

これが実際、めちゃくちゃ重要になってくるんですが

 

「人間性を高めるため」


 

という部分です

 

え??この3曲が人間性を

高めるためになんで必要なのか??

 

必要だからです

 

陪臚はともかく、

 

元々越殿楽というのは

 

「神仏に捧げる音楽」


 

越殿楽は2つの読み方があります

 

殿と書く「越殿楽」

そして天と書く「越天楽」

 

「殿」は平安時代、天皇の日常生活の場に

上ることができた人のことを

「殿上人(でんじょうびと)」とあるように

天皇自体も「天の皇様」

古事記に出てきたアマテラスの直系の皇族であることから、

最も天に近い存在の人のことを指します。

 

ある種、殿上人という人も、

少なからず「天皇に近い存在」であることから

「天に近い人」という意味合いでも使われていました。

 

 

どちらにせよ

「天を越える音楽」という

意味合いが強かったりします

 

ということは、

 

「神様に捧げる音楽を届ける人間にならなければならない」


 

わけですね

 

それって、宗教家とかだとよく言われたりするんですが

 

「神様の御用に立ち向かう姿勢」


 

というものを養っていく必要があります

 

これは宗教やるとかやらないとか

話は別で

 

その上で最初に演奏することはもちろんですが

 

その後に「五常楽急」をやることで、

さらに意義が出てきます

 

五常楽というのは

 

人間の5つの常である

 

「仁・義・礼・智・信」


 

この5つの常を5つの音に表し

 

作曲された曲と言われています

 

この5つの徳の意味合いをざっくり言えば

 

「仁」は人のために尽くす心

 

「義」も同様、人のために義理立てる心の持ち方を意味し

 

「礼」はありがとうございますや挨拶をするなどの

礼節を大事にしましょうという心

 

「智」というのは、その上で必要な教養・

知識を深めていきましょうという意味

 

「信」は、人を信じる心を養いましょう

 

そういったこの道徳心を育む

「五常」を題材に曲にされた物だからこそ

 

越殿楽の次にこの曲に向き合い

 

「五常」について考えることを意識することが

重要になっていくわけです

 

と、偉そうにいっていますが・・・

 

僕自身もそこまで考えて当時はただただやらされ、

越殿楽と五常楽の練習をしていました

 

しかし、やはり雅楽を始める上では

このへんを考えることも

すごく大切なことです

 

大抵この辺のことを考えずに雅楽をやって行った結果

 

本来雅楽を通して身につけることができる

「道徳心」というものが育まれず

 

会内の人間のクセが強かったり、

どこかしらに利己的な精神が強く出てしまったり、

誤った価値観や先入観・偏見などが生まれることによって

 

人間関係がギクシャクしたり

 

団体内や外部の関わりでギクシャクしたり

 

ということが現象化されていきます

 

それをわかってやっているかやっていないかで

全く意味合いが変わってきますね

 

そして「陪臚」

 

この曲は聖徳太子が出陣の際に演奏した曲目だということで有名ですが、

 

聖徳太子といえば、

十七条の憲法でも有名な言葉があります

 

「和を以て尊しと為す」



 

道徳心を養うためにも必要なことは「和」を持つというところです

 

人を思いやり育まれる「和」 

雅楽を演奏していく上で築かれる「和」

 

そして陪臚の言葉の由来というのは、

サンスクリット語で

「バイローチャナ」からきており、

 

チャナを略して陪臚という名前になったわけで

 

本来の陪臚の名称は

「毘盧遮那仏「ビルシャナブツ」

 

すなわち、東大寺にある奈良の大仏のことを指します。

 

 

宇宙の真理を全ての人に照らし、悟りに導く仏、

 

ある種お釈迦さんを超えた存在というものを

モチーフに作られた仏

 

そんな釈迦を超えた仏という

意味合いの曲目であったことから

 

八幡太郎義家という源氏の武将は

 

この陪臚という曲を戦勝祈願の占いとして使い

 

陪臚を7回演奏すると「舎毛音」という音が聞こえれば

 

戦に勝てるという逸話へとなりました。

 

舎毛音は今でもなんなのかはわかりませんが

 

そんな偉大な曲目というものを演奏することで

 

「人間性を深めていく」


 

そういった意味合いのもと、

 

この「越殿楽」「五常楽」「陪臚」

 

という三曲を最初に習熟し、

 

演奏者たる者というより

 

神仏に捧げることはもちろんのこと、

 

道徳心を築き

 

それを始めた手の頃にしっかりと気づいていく

 

そういった意味合いがあって

最初に越殿楽・五常楽・陪臚を

練習していくわけですね

 

というわけで、まとめに入りますが

 

まず代表的な拍子の曲目だというところ


 

そして平調は比較的応用がちょうどいい


 

そして1番重要な部分、

 

それが人間性を高めるためです


 

雅楽をすることで、道徳心が育まれる

ということです

 

それを曲の意味合いで考えていくことはもちろんのこと、

 

管での練習や合奏を通して

 

人と人との関係

 

思いやりや気遣いであったり

 

本来の人間らしさというところを学んでいくことで

 

わかっていく本質というものを

 

築き上げていくわけですね

 

というわけで、

今日はなぜこの3つの曲を最初にやるのか??

という話をしていきました

 

恐らく、

これは今雅楽を習われている方ももちろんですが

 

これから雅楽を習う方にしても

ずーっとやっていて知らなかった人も

 

是非今後、意識してほしいところでもあったりします

 

僕自身も、陽雅会以外に

自分が主催する雅楽団体で

今度の秋の大阪南部での演奏会では

 

生徒さんに「越殿楽」「五常楽急」

 

そして陽雅会主体のメンバーで「陪臚」

舞楽でお送りする演奏会があります。



 

さやま雅楽祭〜狭山雅(みやび)会第4回雅楽公演〜 in大阪 - パスマーケット (yahoo.co.jp)

 

教える立場として、演者としても

 

こういった「人間性を高める」

 

仁・義・礼・智・信であったり

 

そういった演奏以外の部分の心を育むことも忘れずに

 

今後も雅楽って面白い!楽しい!を伝え、

 

より良い演奏会、そして動画なども皆さんとともに

 

構築できたらと思います

 

それでは本日はここまで!

 
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