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2023.05.09ブログ

平安時代のエンタメ音楽「雅楽」とは?~現役雅楽演奏家・講師が解説~

こんにちは。雅楽演奏家・講師の


山口創一郎です。




 

僕は現在、30代で雅楽演奏家・講師として

「雅楽って面白い!楽しい!」を伝え、

 

「雅楽を通して日本人が大切にしてきた和の精神」


 

を構築することを仕事に

 

演奏活動やお稽古・体験事業・講演などを

関西を中心に活動させていただいております。

 

おそらく30代で雅楽だけを仕事にして

個人で飯を食っている人ってほとんどいません。

(知り合いでも数名ほど)

 

そんなこんな、

 

本日は

 

そもそも「雅楽」ってなんなのか??


 

それを記事にさせていただきたいと思います。

 

日本の伝統音楽とはいえ、

学校教育でもほとんど習ったことはないでしょう。

 

学校では「西洋音楽史」「西洋楽器」ばかりを教えるのに

「日本音楽史」「日本楽器」などは触れることは

比率でいうと9.9:0.1くらいでしょうか??

(西洋音楽に偏りすぎですねw)

 

今日はそんな、日本人の方でも

雅楽を全く知らない人でも

 

これを見れば日本・世界を通して一番古い

「世界最古のオーケストラ」

 

「雅楽」の歴史・楽器・教養などを知ることができる

 

そんな記事を書かせていただきます。

 



 

雅楽を全く知らない方・日本文化が好きな方

西洋音楽しかやってこなかった方

 

は是非この記事を読んで

雅楽を知っていただけたら幸いです!

 

LINEもやっておりますので、
是非興味があれば、友達追加して雅楽を共に

学んでいきましょう~♪

友だち追加

 

 

 

 

目次

「雅楽」って平安時代の「エンタメ」音楽!?~伝来と歴史~

↑↑舞楽「蘭陵王(らんりょうおう)」(西宮ガーデンズ桜Liveにて)

「雅楽って敷居の高い堅い音楽・・・」

「限られた人しかやれない音楽・・・」

「宮中の中で見れる上品なもの・・・」

一般的なイメージってそのようなイメージが
強いかと思います。

しかし、それって明治以降・昭和の戦後以降に
植え付けられた価値観であって、

平安時代、雅楽はどう使われていたのか??

「貴族達のエンタメ音楽」

だったんですね!

今で言えば、「鬼滅の刃」や

現在流行中の

「東京リベンジャーズ」「呪術廻戦」

「SPY×FAMILY」「推しの子」等のアニメや

YouTube・ネットフリックスを見るであったり、

若い世代はYOASOBIやBacknumber
米津玄師やAimerなど
の音楽を聴いたりとしていますが、

こういった「娯楽」「音楽」「エンタメ」
として使われていたのが「雅楽」だったんですね。

明治に入る前、雅楽というのは
「雅楽」ではありませんでした。
(意味わかりませんねw)

「楽(がく)」と呼ばれ、
まだ西洋音楽が入っていなかった時代は

そもそも音楽は「雅楽」しかなかった。

明治に西洋音楽が入ってきたときに

「西洋音楽を国の正式音楽にせず、我が国で最も基準となる音楽を立てよう!」

そんな理念で、今の宮中で演奏される
「雅楽」となっていきました。

その伝来は主に三つありました。

1,日本古来から伝わっている「神楽(かぐら)」

神楽(かぐら)「其駒(そのこま)」「2022年10月29日さやま雅楽祭より」

↑↑神楽(かぐら)「其駒(そのこま)」

神楽(かぐら)といえば、
神社で巫女さんが舞っていたり、

宮中の中で舞われている「御神楽(みかぐら)」
などがあったりします。

起源は、古事記の時代、

最高神の天照大神(あまてらすおおみかみ)が

弟の須佐之男命(すさのおのみこと)の悪戯により、

岩の中に隠れる「天岩戸隠れ」をした際、

周りの神々によって天照を元気づける祭りを開催し、

その際にアマノウズメノ命という女性神が

乳房を見せるほどの激しい舞を舞ったことで
周りが盛り上がり、アマテラスが岩から出てくる
きっかけとなる祭りになったわけですが、

それが初めての神楽(かぐら)だといわれています。

(今でいうアイドルのポロリに近いww
そして現在の神楽ではそういったハレンチな表現はもちろんありませんw)

現在では歌に合わせ、楽器(篳篥・神楽笛・和琴)を伴奏に

演奏される形態ですが、

これが派生し、各地方で現在も伝わっている
「里神楽(さとかぐら)」や

お囃子(はやし)や各地の祭で使われている
横笛や太鼓で演奏しながら神輿をかつぐや

大阪のだんじり等様々な祭が神社で執り行われていますが、

その元祖となるものが日本古来から伝わる神楽(かぐら)
だったりします。

最近ではアニメの「鬼滅の刃」に出てくる
「火の上神楽」も
この神楽(かぐら)を連想して作られたストーリーの中の

「里神楽(さとかぐら)」として使われていたりします。

2,中国大陸・朝鮮半島から伝来した楽器・舞・楽曲

↑↑舞楽「陪臚(ばいろ)」

もう一つあげられるのが

奈良・飛鳥時代に大陸から伝わった
舞・楽器・楽曲などです。

聖徳太子が活躍した時代に
曽我氏と物部氏がとある思想を
入れるか入れないかで争いをしました。

それが「仏教」を取り入れるか取り入れないか

正確ではないものの、
この仏教を現在の中国や林邑(ベトナム・インド付近)から
入ってきた際に

楽器や舞・楽曲などが輸入されることとなります。

大体は中国大陸や朝鮮半島・
そしてベトナム・インド地方あたりから
入ってきたものを取り入れ、

それを東大寺の大仏開眼供養絵(だいぶつかいがんくようえ)などの
イベントで演奏することで

現在の雅楽の形になっていったといわれています。

3,平安時代の「ラブソング」や「祝いソング」であった催馬楽(さいばら)・朗詠(ろうえい)

奈良時代当時、貴族達の人は
「和歌(わか)」を使い、

現在の僕たちが連絡に使っているSNSや手紙として
利用していたりしました。

この「和歌」が後に進化を遂げるのが
音楽をつけて「歌」に変わっていきます。

朗詠(ろうえい)と呼ばれる漢詩に節をつけて歌い、
当時祝い事やおめでたい時に歌われ、

催馬楽(さいばら)と呼ばれるものは
当時の庶民たちが食べ物やお米などを
税金を納める為に馬に乗せ、

その移動中に暇だからふざけて歌い始め、
それを聞いた貴族たちが

「え??その歌めっちゃおもしろそーじゃん!」

と思ったのか、それに伴奏をつけだしたものが
歌になっていったのが催馬楽(さいばら)でした。

それが後に女性にも広がり、

平安時代、女性は自分の好きな男性に対して好意を伝えられず、
周りに悟られることも許されていませんでした。

その好意などの気持ちを少しでも和らげるよう、
自分で歌詞を作り、それをゆったりと歌うことで

誰にも悟られずにその気持ちを発散することができた。

そういった意味から、
ゆったりと歌う

「謡物(うたいもの)」

ができあがりましたが、

そういった人たちの

「祝いソング」
「ラブソング」

として、楽しんで使われた

「催馬楽(さいばら)」
「朗詠(ろうえい)」

というものが三つ目だったりします。

三つのジャンルが融合し、現在の「雅楽」へと

↑↑舞楽「抜頭(ばとう)」

日本古来から伝わっている 「神楽(かぐら)」

中国大陸・朝鮮半島から伝来した「舞楽や楽器・曲目」

奈良・平安時代に貴族たちのエンタメソング「朗詠・催馬楽」

この三つのジャンルが平安時代に融合していき、

現在の「雅楽」へとなっていきます。

伝来した当初はもっとたくさんの楽器があり、
尺八なども雅楽器だったといわれていますが

当時の頭のいい人たちが協議を重ねていき、
一番日本の思想や世界を表すという意味合いで

管楽器は現在
「鳳笙(ほうしょう)」
「篳篥(ひちりき)」
「龍笛(りゅうてき)」

の三つの楽器だけで演奏されます。

「雅楽」という言葉の始まりは??

雅楽という言葉の起源は
2500年前にさかのぼります。

初めて出てきたのは
中国の書物「論語(ろんご)」
の第十七陽貨という章の中で

出てきます。

鄭声(ていせい)の雅楽を乱るを憎む(論語 陽貨十七)

↑↑舞楽「還城楽(げんじょうらく)」

この時の「雅楽」というのは

もちろん現在日本にある雅楽ではありません。

しかし、雅楽とはどのようなものか??

それを考えることができる一文であったりします。

この論語の意味としては

「鄭(てい)の国の別の音楽を儀礼の中での
正当な音楽「雅楽」に交じっていることはあってはならないことだ。」

そういった意味が強かったりします。

雅楽とは何か??

その国の中で最も規範となる基準となる音楽のことを

現在では雅楽と言い、

日本では現在これが雅楽ではあるものの、

ベトナムでは別に国の中での
雅楽「ニャーニャック」というものがあります。

韓国では「国楽(こくがく)」

中国では数百年前に存在したものの、
現在は国の中でそういった規範となる音楽はないようですが、

基本的には国を代表する音楽、
それを「雅楽」と呼ぶのが通例だったりします。


(余談ですが、雅楽の楽器で現代曲を演奏すると
それは「雅楽」ではないので、気を付けましょう!笑)

日本においての雅楽の成立は「明治」以降!?

明治より前、日本にはまだ
「雅楽」という音楽はありませんでした。
(言葉は存在した。)

それまで音楽は鎖国されていた影響もあり、

現在の「雅楽」しかなかったため、
雅楽そのものも「楽(がく)」と呼ばれていたんでしょう。

しかし、明治時代以降、
日本には大きなムーヴメントがありました。

それは、明治維新後に輸入されてきた
「西洋文明」と呼ばれるものです。

この際に入ってきた音楽こそ、
「西洋音楽」と呼ばれるものです。

その際に、国の中の音楽と西洋音楽が混在し、
社会全体が西洋化する風潮が強くなっていき、

日本文化というものが忘れ去られる
そのような脅威が浮上しました。

その状況の中、当時のお偉いさん達や天皇陛下・
雅楽を伝承してきた関西の三つの雅楽団体(京都・奈良・大阪)
を東京に呼び、

談義や協議などを繰り返した結果

「日本の中で最も基準となる音楽をこれにしましょう!」

と作られたものが「明治撰定譜」という譜面で残し、

これを「雅楽」と称するものになっていきました。

※雅楽以外の音楽は日本では俗楽(ぞくがく)とよぶのだとか。
ただし、今それを友達につたえたら嫌われますので、絶対やめましょうww

「雅楽」で使われる楽器はどんな楽器??

さて、ここからは現在使われている
雅楽の楽器についてみていきましょう!

雅楽の楽器は主に

〇管楽器
・鳳笙(ほうしょう)
・篳篥(ひちりき)
・龍笛(りゅうてき)
※龍笛は別で高麗笛(こまぶえ)・神楽笛(かぐらぶえ)を使用するときもある。

〇打楽器(打ち物とも呼ぶ)
・鞨鼓(かっこ)
・太鼓(たいこ)
・鉦鼓(しょうこ)

・三の鼓(さんのつづみ)
※朝鮮半島伝来の右方(うほう)の舞楽の際に使用
・笏拍子(しゃくびょうし)
※謡物の際に使用

〇絃楽器(弾き物とも呼ぶ)
・楽筝(がくそう)
・楽琵琶(がくびわ)

・和琴(わごん)
※神楽(かぐら)の際に使用

で成り立っており

この楽器編成を

三管(さんかん)(鳳笙・篳篥・龍笛)
三鼓(さんこ)(鞨鼓・太鼓・鉦鼓)
両絃(りょうげん)

と呼んだりします。
(学校のテストで出るかもww)

管楽器はそれぞれで、
打楽器と絃楽器もみていきましょう!

鳳笙(ほうしょう)

おわんのような吹き口に
十七本の竹が一つ一つ穴が開いており、

それを一つ抑えて息を入れることで
吸っても吐いても演奏ができる

現代の「ハーモニカ」や「アコーディオン」
の元祖だともいわれている楽器です。

六つくらいの指を押さえて和音を奏でることで

曲の伴奏・ハーモニーを奏でることが
雅楽においての役割で

現在でいうピアノやギター的存在として使われます。

鳳笙(ほうしょう)は

「天から差し込む日の光」

をイメージして作られたといわれており、

「鳳凰(ほうおう)」という空想上の鳥が羽を休めた姿」

というものをモチーフに作られたといわれています。

また、古事記でいう「天照大神(あまてらすおおみかみ)」的な

女性・太陽・天空・目に見えない領域

そういったものをモチーフに
作られているところから

三つの楽器でも最も高貴な楽器として使われてたりします。

篳篥(ひちりき)

直径15ミリ~20ミリの竹製の楽器に

「リード(または蘆舌ともよぶ)」

と呼ばれる淀川や琵琶湖・関東にある渡良瀬川等に
生えている葦(よしまたはあし)と呼ばれる

植物を火であぶったり、
刃物で削ったりして変形させたものを

楽器に装着し演奏する楽器です。

ダブルリードと呼ばれる構造で
西洋の楽器の
「オーボエ」や「ファゴット」などの
元祖とも呼ばれている楽器です。

雅楽においては曲の主旋律・引っ張っていく役割
現実を作っていく役割を担っているのが篳篥です。

古来の人々は

「地上にいる人の声」

をモチーフに
この楽器を作ったといわれています。

篳篥は見た感じはリコーダー等と穴数も一緒ですが
リコーダーと決定的に違うのは

「抑えた運指(うんし)通りに吹いても、その通りの音が出ない」

です。

リコーダーは「ミ(E)」の指で吹いたら「ミ」がなりますが、
篳篥はそうはいきません。

リードと口の角度で、
音程を変幻自在に音を変えることができます。

人間の声もカラオケにいけばわかりますが
変幻自在に音程を変えることができます。

篳篥もその原理になっており、
そこに地響きのような音、

それをかけることで
「地上にいる人の声」
を表したともいわれています。

篳篥は古事記でいうスサノオの命的存在

男性・地上・現実・大海原

そういったものを表した楽器ともいえるでしょう。

龍笛(りゅうてき)

見ればわかりますが、横笛ですね。

昔は横笛(おうてき)と呼ばれ、
使う曲目によっては

高麗笛(こまぶえ)
神楽笛(かぐらぶえ)

を使うこともありますが、
基本的には龍笛を使うことが多いです。
(始めるのも龍笛からが基本ですね)

「龍の唸る声」

をモチーフに作られ、
現在の和楽器・酔う楽器
の中である横笛(篠笛・能管・フルート等)の

元祖的存在(厳密には違う)がこの龍笛です。

雅楽においては鳳笙・篳篥の足りないところを
装飾・サポートする存在。

特に篳篥と鳳笙は音域が狭い(1オクターブほど)しか出せないので
龍笛はその2~3倍ならせることから

二つの楽器のたりないところを補う役割を担っています。

鳳笙が「天から差し込む日の光」
篳篥が「地上にいる人の声」

龍笛は天と地を結ぶ

「龍の唸る声」

をイメージされて作られたともいわれています。

余談ですが、
平安時代の英雄・イケメンと称される人は
龍笛吹きが多かったのだとか・・・

源義経は弁慶と対峙する前に
五条の大橋で吹いていれば

陰陽師の安倍晴明・源博雅なども
笛の名手なのだとか。

簡単に言えば、

「三つの楽器で一番見た目がキレイだから」

です。笑

鳳笙は演奏中、顔が隠れ
篳篥は演奏中、ほっぺたを膨らますので
どうあがいても顔が不細工になってしまいます。笑

龍笛は一番「映えた」からですね。

打楽器・絃楽器

そして管楽器以外で使われるのが
打楽器・絃楽器です。

打楽器は鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)
の3つがあり、

基本的にはリズム楽器として使われます。

鞨鼓(かっこ)は打楽器ではあるものの
雅楽においては指揮者の代理でもあり

コンサートマスターの
ポジションにあたる楽器です。

基本的に雅楽をマスターしたベテランの人が
叩くことが多い楽器で、

全体の曲の流れを把握し、
曖昧な叩き方でいかに演奏を
リードしていくか??

そういった非常に高度な技術がともなうことから
一番雅楽を通じる人が叩く楽器だったりします。

太鼓は見ての通りの太鼓ですね。

雅楽の曲目には要所要所に
太鼓が入る場所があり、
そこが曲が始まりどころになったり、

自分たちの演奏している現在地を
確認できる。

そういった重要なところに太鼓が
入ってくることが多いです。

鉦鼓は目立たないとはいえ、
雅楽の中で唯一の金属楽器だったりします。

さりげなく入る金属音を入れることにより、
演奏を彩る役割となっており、

近年では初心者の人にあてられることが
多い楽器とはいえ、

本来は雅楽を熟練した方が
叩く楽器だったともいわれています。

「楽筝(がくそう)」はお琴ですね。

お琴には生田流や山田流などの
筝曲で使う筝もありますが、

あちらは雅楽では「俗筝(ぞくそう)」と呼ばれます。
「楽(がく)」でつかう筝
雅楽においてはリズム楽器として使い

俗筝に比べ絃が太く、使う爪も竹製のものを使う為、
同じ筝とはいえ若干のひき方が違ったりするのが特徴です。

楽琵琶(がくびわ)も同じく
雅楽のみで使われる琵琶で
こちらもリズム楽器として使われます。

薩摩琵琶や越前琵琶など、
現在では琵琶も様々な種類がありますが

雅楽の琵琶の特徴は大きいところにあります。
男性でちょうどいいくらいの大きさのものの、
女性には少し重いかなーと思うほど。

こちらも曲の1拍目などを
彩る為に使われる楽器だったりします。

雅楽はどこで聞くことができるのか??

ここまで歴史・楽器などの
解説をいれていきましたが

「そもそも雅楽ってどこで見ることができるの??」

「ネットとかで探しても演奏会情報とか全くでてこないんだけど??」

という方は、かなり多いかもしれませんね。(笑)

やっている人たちに非常に失礼ですが、
年輩のアナログな方が多い関係上、

あまり情報が入ってこないことも事実です。

(雅楽演奏家・講師をやっている僕ですら、
どこでやっているのかとかはほぼ知りませんw)

とはいえ、大体こんなところでやってますよー
というのはざっくりとあったりするので

本日はその辺を紹介させていただきます。

神社・お寺などで開催される「お祭り」

「雅楽」といえば神社!

そんなイメージを持っておられる方も多いでしょう。

結婚式の際は神事の中で雅楽が使われることは
多ければ

元々仏教とともに伝来した音楽であることから

案外お寺(特に浄土系)で演奏されることが
しばしばあったりします。

明治以前というのは
雅楽を伝承していたのは京都・奈良・大阪の
三つの団体でした。

奈良の春日大社では毎年12月に
「御祭」というイベントがありますが、
その中では数時間、舞楽奉納を毎年寒い中、
開催されています。

大阪の四天王寺でも
4月22日は聖徳太子の命日である日に
「聖霊会(しょうりょうえ)」
という舞楽奉納が開催されます。

最近では4月上旬に兵庫県にある「廣田神社」でも
「つつじ祭り」というイベントの中、

舞楽奉納を毎年開催するところなども出ております。
(私も毎年、お手伝いさせていただいております。)

その他にも、伊勢神宮の神楽殿であったり、
神社・お寺の中のイベントなどで雅楽の催し物が
行われていますので

特に大きい寺院では割と組み込まれていることが
あったりしますので、そちらを調べてみるといいでしょう。

コンサートホールなどで開催される「演奏会」

「雅楽を本格的に聞く!」
となって出てくるのはやはり演奏会でしょう。

各雅楽団体でも毎年年に1回以上は
定期演奏会的なものを開催していることも多くあったりします。

コロナ禍以降というのは
演奏会の開催を断念したところが多いとはいえ、
実は全国各地で演奏会というのは
知られていない中で行われていたりします。

調べたところ、月ごとで下記のところが
演奏会を開催しているのだとか(神社奉納含め)

1月
・厳島神社 元始祭・地久祭(広島 厳島神社)
・伶楽舎(東京 紀尾井ホール)
・東京楽所(東京 サントリーホール)

2月
・天理大学雅楽部(奈良県 天理市民会館)
・天理高校求道部雅楽班(奈良県天理市 陽気ホール)

3月
・天理大学雅楽部(東京都 浅草公会堂付近)
・小野雅楽会(東京都 東京オペラシティコンサートホール)
・和歌山雅楽会(和歌山県内)

4月
・宮内庁式部職楽部(東京 皇居内)
・鳳舞会 つつじ祭り舞楽奉納(兵庫県 西宮廣田神社)
・四天王寺雅亮会 聖霊会(大阪 四天王寺内)

5月
・南都楽所(奈良県 春日大社)
・陽雅会(大阪府 堺能楽会館・料亭 阪口楼等)

6月
・十二音会(東京 紀尾井ホール)
・博雅会(東京 渋谷伝承ホール)
・天理高校求道部雅楽班(奈良県天理市 陽気ホール)
・大阪楽所(大阪市 国立文楽劇場)

7月

8月

9月
・日本雅友会(大阪市 国立文楽劇場)
・洋遊会(富山)

10月
・厳島神社 菊花祭(広島 厳島神社)
・日本雅楽会(東京 国立劇場)
・雅楽道友会 乃木神社 管絃祭 (東京 乃木神社)
・狭山雅(みやび)会(陽雅会)(大阪狭山市 SAYAKAホール)

11月
・宮内庁式部職楽部(東京 皇居内)
・南都楽所(奈良県 春日大社)
・榊葉雅楽会(和歌山県 海南付近or和歌山城ホール)
・四天王寺雅亮会(大阪市 フェスティバルホール)
・音の輪会(京都市 京都コンサートホール)
12月
・南都楽所 御祭(奈良 春日大社)

他、不定期に演奏会実施している団体
・博雅会(大阪・兵庫・東京)・伶楽舎(東京)・鳳鳴雅楽会(鳥取)
・札幌雅楽同好会(北海道)・萌雅会(石川県)・犬山雅楽会(愛知)
・明風会(兵庫県)・雅良会(広島)・おやさと楽舎(奈良)
・雅楽松風会(岐阜)・主韻会(愛知)・京都雅楽塾(雅楽戯れ一座)
・陽雅会 等等

その他、各イベントなどで演奏されることも
最近では増えてきました。

僕も先日は兵庫県西宮市にある阪急西宮ガーデンズ
にて演奏させていただいたり、

イオンモールなどのイベントで雅楽体験・演奏なども
出向かせていただいております。
(Webにて出演の際は告知いたしております。)

割と昔よりも見ることができる場所も増えてきたとはいえ、

まだまだ間口を広げないといけない部分も多いのは
現状としてあります。

雅楽演奏家・講師 山口創一郎及び、
雅楽団体「陽雅会」では、

雅楽を全く知らない人でも
雅楽を楽しむことができる演奏会たるものを

現在、定期的に開催をさせていただいております。

詳しくはwebの演奏会情報をご参照いただければ幸いです!

「雅楽」はどこで習うことができるのか??

「雅楽ってどこで習うことができるのか??」

「限られた人しか習うことができないんじゃないの??」

「どこも男社会じゃない??」

平安時代や明治以前というのは
限られた人、

すなわち貴族であったり、楽人と呼ばれる方
が楽しむエンタメであったことから

庶民がする音楽ではないというイメージが
どことなくありますが、

現在はそんなことありません。

「誰でもすることができ、楽しむことができる音楽」

です。

明治以降は
宮内庁式部職楽部と
宗教団体との
つながりが強くなったことから

各雅楽団体などは
宗教者と呼ばれる男性の人たちが

やっているところが
多い現状はあるものの、

そう聞くと
先のオウム真理教・〇一教会問題も
あったこともあるので、中には

「宗教の内部に入るのはちょっと・・・」

て思われる方も多いですよね。
(山口も実家は宗教やっていましたが、
昨年に実家を出て、今は全く宗教はやっていません。)

ということで今日はそんな、
無宗教の方が

雅楽を気軽に始められるところだけを
ピックアップさせていただきましょう!

誰でも始めることができる雅楽教室

地方によってやる教室が様々ですが、

東京であれば「武蔵野雅楽教室」
篳篥であれば島田ひろしさんが
主催している篳篥教室などが
あります。

関西であれば、
京都にあるグループ雅楽教室「京都雅楽塾」があれば、

僕が奈良の隠れ家サロン「三五夜」と
大阪・天王寺にある料亭「阪口楼」で
開催している

雅楽教室「おけいこががく」
が現在も開催しております。
(こちらは個別お稽古で毎度承っております)

この辺の教室の人に
宗教者と呼ばれる人は
ほとんどおられないです。

実際、山口創一郎の雅楽教室及び、
おけいこががくを受講している
生徒さんのほとんどは

宗教などと縁もなく雅楽をされている人で
占めていたりします。

職種などもいろいろで
神職・僧侶さんも少々おられるものの、

会社員の方もいれば

最近ではブロガーやユーチューバー

Vtuberや経営者・音楽講師や
建設業・主婦・大学生・留学生・エンジニア・事務職・
カフェの店員・お茶屋さん・小学生
などなど、

大阪・奈良・兵庫・滋賀・京都・和歌山や関西だけでなく
広島・東京から通われている方

おけいこががくではありませんが、
オンラインではアメリカ・香港など
海外の方も習っておられたりします。

様々な年齢・職業の方が
おけいこに通われているのが
特徴的です。
(ちなみに男女比でいうと、女性が圧倒的に多いですね)

現在は大阪・奈良で教室を構えていますが
後には兵庫・京都への展開はもちろんのこと、

関西地域外でも開講できるようにと現在、検討していたりします。
(いいところとニーズがあれば是非やりたいものです)

上記のところもですが、年に数回発表の場も
もうけているところがほとんどなので、

こういったところで雅楽を習熟されることが
おススメだったりします。

まとめ

↑↑舞楽「納曾利(なそり)」

雅楽は平安時代の貴族達の
「エンタメ音楽」であり、

1、日本古来から伝わった神楽(かぐら)
2,中国大陸や朝鮮半島から伝わった楽器や舞・楽曲
3,奈良時代・平安時代にできた祝い歌・ラブソング

が平安時代に融合した音楽で、

明治以降に日本の「雅楽」、すなわち宮廷音楽
「国の中の最も規範となる基準となる音楽」へと変わっていきました。

現在では
・鳳笙(ほうしょう)
・篳篥(ひちりき)
・龍笛(りゅうてき)

の管楽器に

・鞨鼓(かっこ)
・太鼓(たいこ)
・鉦鼓(しょうこ)
の三つの打楽器と

・楽筝(がくそう)
・楽琵琶(がくびわ)

の絃楽器(げんがっき)

があり、

演奏は
・神社やお寺
・コンサートホールでの演奏会
・商業施設などのイベント

などで現在見ることができます。

習えるところは
一般の人でも習えるところも今後増えていくでしょう。

ということでいかがでしたでしょうか??

雅楽は見て楽しむことももちろんできます。

しかし、雅楽演奏家・講師として活動している僕としては

是非、身をもって体感していただければ

更に「日本人が大切にしてきた和の精神」

を感じることができます。

それによって、自分自身の人格・人間性が磨かれ、

雅楽だけでなく、人生全体に彩りがつけられる

そんな雅楽を共にできたらうれしい限りです。

本日はここまで!

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