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2021.11.07ブログ

雅楽の上達は「歌」で決まる

「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」


 

こんにちは。雅楽演奏家・講師をさせていただいています、


山口創一郎です。


 

おかげさまでこのところ演奏活動・


そしてお稽古をつける機会もかなり増え、


 

YouTubeやブログを更新できない日々が増えて来ておりますが・・・


 

とはいえ、「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」活動が


毎日できております。


 

そんなこんな、狭山での演奏会・そして和歌山での演奏会と


 

大きな演奏会を無事終えさせていただき・・・



10月30日 はじめての雅楽Part3〜狭山雅会が演奏します〜

於:SAYAKA小ホール


11月3日 紀の国和歌山国民文化祭2021 榊葉雅楽会「舞楽会」より


於:かつらぎ総合文化会館「あじさいホール」


次は出れない予定でしたが、


スケジュールが変わり出演できるようになった


12月の大阪堺での演奏会に向けて、


それの練習も進めている毎日ですが、




 

同時期に、とある神社参拝セミナーで


雅楽の「歌」をすることから


 

今回教えることになり、


 

先日も2日間で9時間の歌稽古をつけさせていただきました!


 

2日で9時間ですよ??


 

もちろん、そんな長い時間僕は人生でつけたこともなければ


 

自分自身が体感したお稽古でも、楽器を含めては余裕であっても、


 

「1日4時間も雅楽の歌だけでお稽古した」


 

という経験は過去の記憶を思い出しても



やったことがありませんでした。笑


 

喉が持つか持たないかの耐久レース。


 

そもそもそんなに歌だけでお稽古をしたことがない故、


 

どうやってやっていくかをお稽古をつけている最中に考えながら


 

進めていかせていただきました。


 

とはいえ、この雅楽においての「歌」というのは


 

「楽器を演奏する練習」以上に大切なことであるのは


過言ではありません。


 

雅楽のプロ組織でもある宮内庁式部職楽部では


 

楽師になる者は中学校から卒業後、


3年間の間は定時制の高校に通い、


 

この期間は楽器と譜面を持たせてもらえません。


 

目の前にいる先生の口ずさんだ「」だけを頼りに


 

自分自身で頭の中でインプットしていき、それをアウトプット、


声に出して


 

一つ一つ覚えていくお稽古を、3年間続けます。


 

そして試験に受かれば、ようやく楽器を持たせてもらえる


 

それだけ、雅楽の中で「歌」を歌うという行為


 

重要であるかということが伺うことができるでしょう。


 

しかし、そんな「歌」が重要視されている音楽でありながら、


 

現実的には歌を歌える人というのはそう多くありません。


 

個人にしても、団体や学校の部活動でされている人の中には、


 

楽器はそこそこ吹けていたりしているとしても


 

1人で歌えない人


 

というのが一定数いたりするわけです。


 

それは旋律だけ覚えているだけであったり、


声の出し方が違っていたり


 

そもそも団体として演奏会やイベントなどで


歌をすることがないところだって多いでしょう。


 

雅楽は「唱歌」、歌を唱えて、


その歌った通りの旋律を楽器に具現化をしていく。


 

特に篳篥を吹かれる方というのは、


 

歌ったまんまを楽器に具現化していく楽器であることから


 

歌でついているクセがそのまんま


吹き方のクセになってしまうことも


 

多々あります。


 

「歌い方がその人となりに現れる」


 

そう思うほどです。


 

歌が歌えないということは、表面上でいい音が出せたり、


 

周りと調和する力というのはつけることはできなくはありませんが、


 

僕自身は歌えない人というのは、


表面的に上手い演奏ができたとしても


 

「本質的な雅楽を演奏することはできない」


 

と思っています。


歌を歌うからこそ身につくことというのが


雅楽においては


 

あまりにも多いと感じているからです。


 

今思えば僕自身は高校時代、


 

大学の部活動をされていた先輩から言っていただいた


言葉がありました。


 

「山口は歌は上手い。でも楽器は下手」


 

そのころは楽器は下手でしたが


(数年前に高校の卒業前の篳篥音頭のビデオを見ましたが、絶望しました。笑)


 

今思えばあの頃から唱歌だけは人一倍に


声を出して練習に励んでいました。


 

大学では1年の途中で辞めて4回生で復帰した際は


 

高校時代に唱歌を人一倍に歌っていたことが実ったことや、


元々の声量・声質が人並み以上に優れていたこともあって、


 

(山口の声が大きすぎて周りの下級生の声が聞こえず、

その子らは同級生や先輩方に理不尽に怒られる始末)

 

途中入部でありながら謡物(うた)でソロで歌う役を


秋頃から卒業するまで


 

演奏会などでやることにもなりました。


(もちろんその頃は夜通し歌の練習をしたことが懐かしいです。)


 

ただその歌を歌うということを卒業後も続けてきたからこそ、


 

龍笛のみならず三管演奏できる奏者にもなることができ、


 

現在お稽古中の舞にも生かせていることは間違いありません。



(この間の狭山の演奏会で舞デビューを果たしました、、)


楽器をやるにしても、


絃楽器や打楽器、


そして舞をやるにしても


 

雅楽において「歌」というのは必ず必須科目であるほど、


 

大切なことは過言ではありません。


 

歌えるからこそわかる曲の流れや舞手がぐーっとくる感覚、


 

これは歌においても、楽器においても、


舞においても必要になってくる


 

潜在的な技術だったりするわけです。


 

僕のお稽古では最初に生徒さんに二つ、


 

練習で意識してもらうことを心がけてもらっています。


 

「姿勢を正すこと」


 

そして


 

「大きな声で歌うこと」


 

この「大きな声で歌うこと」


 

最初はこれを継続してやるかやらないかで


上達度がかなり変わります。


 

大きな声で歌って続けている方はやはり上達も早く


 

こっちとしても言えることが増えていきます。


(もちろん、声帯の関係上、出せない人もいるのは仕方ありませんが・・・)


 

声の出し方は何事においても、

その人の「志」が出てきますので

 

恥ずかしがらず大きい声で出すだけ損することはありません。

 

今回、歌のお稽古をつけさせていただいているところでは


 

雅楽をまだやったことがない人も初めてお稽古に加わり、


 

歌の練習を夜通しメンバーで行われているそうですが


 

楽器をやるにしても、やらないにしても、


 

今後やっていくとなった時にこれほどいいものはありません。


 

現代の日本の音楽教育では学ぶことができない


五線譜の檻から出ていける感覚。


音のもっていき方であったり、回し方・


 

波動を作るような歌い方を体得しているからこそ、


 

その後の楽器に生かせることが歌には詰まっている。


 

僕自身お稽古をつけさせていただく過程の中でも


 

改めて歌に向き合える、そんなきっかけを頂けた気がします。


 

とはいえ、ここ最近連日何時間も歌っていたことから、



喉の調子ががが・・・笑


 

当日、どのような歌が完成するのか??


 

それを楽しみに、演奏活動・自分のお稽古・


そして生徒さんのお稽古に励む


 

毎日を淡々と過ごしていきたい所存です。


 

本日はここまで!

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