2021.07.05ブログ
【雅楽】篳篥を始めようと思っている人の為のブログ
「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」
こんにちは。
雅楽演奏家・講師をさせていただいております、
山口創一郎です。
本日は違う楽器編、いってみましょう!
題名の通り、
「篳篥を始めようと思っている人のためのブログ」
「篳篥やってみたいなー、習ってみたいなー」
そのように今思っている方のためのまとめ記事的なものを
作ろうと思い書いています。
一番は習ってやれれば1番いい!それは間違いなくその通りですが
習うほど金銭的に余裕がない・・・
習える講師の先生が近くにいない・・・
オンラインレッスンとかはまだ抵抗がある・・・
そう思われている方に、
自宅で自分で独学までとはいきませんが、
篳篥を習熟していく、
この記事に付随しているサイトや
動画を見ていけば習いはできなくても
篳篥を演奏できるところまでもっていける、
そのような記事を作ろうと思い今回書かせていただいております。
是非是非、このページをきっかけに篳篥をはじめられる方が増え、
「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」
ことができたらありがたい限りです!
1、篳篥を始めるために必要なもの
まずは篳篥を始める上で必要なもの。
何があるのか??
主には三つあります。
もちろんそれは・・・
「楽器」と「リード」と「譜面」です。
「楽器」
楽器は樹脂管(プラスチック、プラ管とも呼ぶ)と
本管(竹製)が主にありますが、
最初の初心者のうち、どこまで続けるかわからない間であれば、
最初はプラ管を買うことをお勧めしております。
基本的には4000円〜6000円ほどで買うことができるはずです。
篳篥の場合は、龍笛とは違い、
ピッチが違うなどは基本的にはありません。
もちろん本管となると楽器によっての
音程の出しやすさ・出しにくさなどはあって当然だと
思っていただけるといいでしょう。
楽器の音色的には、プラ管より本管の方が俄然良かったりしますが、
本管は基本的に10万〜100万円と値段の幅も広く、当たり外れも大きくあります。
楽器の音色の違いは以下の動画をどうぞ。
特に楽天やAmazon、オークションなどで販売している篳篥は当たり
外れかなり激しいので、あまりお勧めはできません。
もしそれでも購入されたいという方は、
僕のおすすめを一つだけ紹介〜
京都にある八幡内匠というところの篳篥は非常にお勧めです。
とは言え、かなり値段もいい価格しますので、その辺はご了承を。
詳細・お問い合わせなどは下記WEBにて
「リード(盧舌)」
篳篥を演奏する上で1番重要になってくるのは、
いうまでもなく「リード」です。
このリードの良し悪しで演奏の8割方が決まると言っても
過言ではないくらいです。
基本的には篳篥の演奏者の方は自分でリードを
作られたりする方が多いですが、
もちろん僕のように、全くリード制作ができない
奏者もいたりします。
最近ではAmazonや楽天・メルカリでもリードを
購入することはできますが、
正直リードほど誰が作ったかわからない
代物であればあるほど、
未知数、怖かったりするところは大きいです。
以前、僕が教えているとあるところでは、
Amazonでリードを8000円で購入された方がいました。
そのリードを僕自身も試しに吹かせていただきましたが、
鳴らしやすいとはいえ、
音が完全に潰れてしまっている不良品でした。
基本的にリードの相場というのは1本1500〜4000円程度。
特に鳴らしやすいリードほど削る工程が多くなる分、
値段が高くなることが多かったりします。
このリードについては、
楽器店や神具店(神様の道具を販売するお店)
においてもハズレのものが多かったりします。
店主の人に聞いたら誰が作ったか
聞くことはできますが、最初は分からなくて当然です。
そんなこんな、私がリードの購入を
お勧めできるところが一つだけあります。
篳篥奏者 「島田ひろし」さんという方が制作している
リードが現段階では1番安心できるかと思います。
自分の名前を出して販売されているというところももちろんですが、
制作の工程までYouTubeで公開されているというところが
大きいでしょう。
制作工程なんて、普通に直に習うだけでも
かなりの費用がかかりますが、
これを動画で無料で出しているということも含め、
自分の名前をネット上に出してしまっている以上、
いい加減なものを作ることができなくなります。
+、初心者向けのリードでも3000円で購入できますので
是非始められる方はこちらで購入することを
僕はお薦めさせていただきます。
(ちなみに山口も使っております。)
ついこの間、演奏現場でも島田さんの制作したリードを
使用させていただきました。
島田さんはお住まいは関東の方ですが、
郵送等で所定の場所までお届けされていますので、
是非是非こちらのリードを使ってください。
リードは制作されている人の名前が大事だったりしますが、
最近注意したいところは、
制作者詐称で出ているものあることに
ご注意ください!
島田さんの場合は自分のWebで出していますが、
そうじゃないサイトなどでその方と違う方が
販売しているということもあるようです。
そういった意味でも、現段階では個人的にオススメできる方が
限られるわけですね。
譜面
そして次に譜面。
譜面も様々な譜面が出ていますが僕がお勧めするのは
天理教道友社が発行している譜面が1番見やすかったりします。
宗教やっていない人でも買うことできますか??
全然できます。
というより普通に販売しているものですので、
この篳篥譜を買うことを最初はお勧めしております。
販売は下記サイトにてもしております。
上達していけば別の譜面。小野雅楽会が発行している譜面、
雅亮会が発行している譜面などを購入すれば大丈夫ですが、
雅亮会の譜面は四天王寺舞楽というものに
扱う譜面のみを掲載しておりますので
入っていない曲なども多いようです。
その辺を見極めて購入されることをお勧めします。
最近は明治選定譜という、宮内庁式部職楽部で使われている譜面が、
無料でダウンロードができるサイトがあります。
譜面がネットで取れる時代ってやばいですね・・・
こちらでダウンロードしてコピーすれば、
譜面代を節約できますが、
まあ、大変です。笑
全部で3000ページ近くありますからね・・・
とはいえ、最初は天理教道友社等が発行している
小曲譜だけで十分です。
恐らくどれだけ早くてもこの譜面の曲を
ある程度進めるのには1〜2年は要しますので、
それまではこの譜面で十分でしょう。
楽器を収納するケース
これについてはプラ管を購入時に一応箱はついてくるのですが、
付随の箱は湿度や乾燥にはあまり
対応ができていないものだったり・・・
1番オススメは桐箱に入れておくのがベストでしょう。
僕も楽器とリードは桐箱に保管するようにしています。
楽器はプラ管だと問題ないのですが、
リードは乾燥や湿気に敏感です。
あまり保管環境が悪ければリード自体の劣化も早く進めば、
割れてしまうことも多々あることから、桐箱をオススメします。
演奏会などでは桐箱は見栄えが良くないことから、
扇形のケースを使う人が
多かったりします。
僕も演奏会時にはケースを入れ替えて吹くことが多いです。
普段からそのケースに入れておいてもいいでしょう。
リードのみを桐箱に入れて保管しておくというのも一つの手です。
とはいえ、上記のものより漆や黒檀で作られたものの方が
見栄えは断然いいでしょう。
武蔵野楽器などでも取り扱っています。
チューナー
最初の方は特に篳篥は音がかなり不安定な為、
慣れない音程を取ることが
四苦八苦することが多かったりするでしょう。
その中で自分で音程を確認して覚えていくために
チューナーは
必要になってきます。
とはいえ、チューナー単体の機械を買う必要はなく、
最近ではスマートフォンのアプリなどでも
このチューナーは事足りるほどです。
僕は楽器チューナーLITEというアプリを使っています。
非常に使いやすい代物となっております。
このアプリで430Hzに設定して、
Yボタンを押して音を鳴らせば音程を測ることができます。
音程については以下の通り
六→D 四→E 一、上→F
上(双調、最初の方は出てこない)→G
丁→A 工→B 凢→C
(音程については別の記事で解説しています。)
とは言え、チューナーはあくまで
基準程度で音程を合わせる方がいいでしょう。
何故チューナーばっかり見ない方がいいのか??
あまり音程に気を取られすぎるとよろしくないからです。
基準程度で使っていくことをオススメします。
という感じで、必要なものについて話していきました。
さあ、ここからある程度ものを揃えることができ、
次に練習へと入っていきます。
2、最初はどのような練習をしていけばいいのか??
さあその中でまずはどう練習していけばいいのか??
理想は、龍笛の時にも話しましたが
「自分で尊敬する先生を見つけて、
その人に弟子入り等して習う」
がベストですが、
そんなに簡単に見つかるわけありませんね。笑
お住まいの地域などで講師の先生も違いますし、
最近はオンラインレッスンなどもありますので
その辺もなんとでもなるとはいえど、
やはり対面でのお稽古の方が
習熟はしやすかったりするものです。
どこで習えるのかなどは別途記事を書いていこうと思います。
じゃあ今日は自分自身でお稽古していく
場合どうしていけばいいのか??
ここについて話していきます。
教則となる本も出ているので少しご紹介。
最近では動画で練習を進めていく方法もあります。
僕自身はYouTubeで初心者用の練習動画を
上げさせていただいております。
その中で雅楽の練習で1番重要になることはズバリ、
「歌う」ことです。
要は譜面を1文字2拍で「唱歌」していくこと。
これを続け、その後1人で歌えるようになってきたら楽器の
演奏に進めていくわけです。
そしてその後にやっていくことが、
1人で練習するというのは非常に難しいことですが
不可能ではありません。
僕のYouTubeでは、
雅楽を習う人が最初に習う平調「越殿楽」の
無料公開レッスンを動画で上げさせていただいております。
これを使えば、越殿楽を一通り演奏できるところまでは
習熟することが可能です。
YouTubeの方では五常楽急の解説までは作ってありますので、
こちらで個人的に習熟していくことがいいでしょう。
そしてその後は、YouTubeにもある唱歌と独奏と合わせてみたり、
三管合奏で合わせる練習などを、
動画上でもいいからやってみましょう。
3、日頃の練習の仕方などなど
そしてこの記事も最後の方になってきましたが、
最後に日頃の練習方法はどうしていけばいいのか??
これについてもお話ししていきましょう。
歌うことについては、唱歌の動画と一緒に歌うなど、
たまに1人で歌ってボイスレコーダーなどにとってみて
後で自分で聞いてみるのもいい手でしょう。
自分の唱歌と音源やYouTubeの唱歌と何が違うのか??
これを探しながら練習していくのも一つの手です。
そして篳篥を始めたての頃は、
運指を覚えることが非常に大変です。
この運指を覚える訓練からやっていくことをお勧めします。
これについては下記の動画をどうぞ!
そして息が続かなかったり、
ある一定の音が全然出ない方も中にはおられるかと思います。
その時に重要になるのがロングトーン!!
6拍息継ぎなしで持続して吹いていく
練習をしていくことが重要です。
(すみません。篳篥はロングトーンまだ出していませんでした。)
ロングトーンを1人でやるのはかなりきついですので、
最初は音源などと合わせて吹いて練習するといいでしょう。
特にゆったりとした音源で。
篳篥は特に吹くとほっぺたがちょーしんどい!
そのため、極力ほっぺたを鍛える練習をしていく方が、
後々やっていくと楽になります。
いろんなリードを試しながら練習をすることも大切です。
最初はしんどくても、徐々に吹き鳴らして鳴らしやすくなり、
良質な音も出しやすくなっていきます。
これが最初の方はきつい練習になるとは思いますが、
こういう吹き込みをしておくと
後々いろんな曲を吹いていく上で
非常に役に立ちますので、
毎日少しずつでも構いません。
コツコツ練習していくことが大切です。
とはいえ、
リードは長い目で付き合っていくことが大切です。
なってきたなーと思った頃にはダメになる、
結構あるあるな話だったりするんですね。笑
僕も毎度毎度このリードと悩みながらも、
長い目を見てどのリードとも
お付き合いをさせていただいています。
人によっては、リードが恋しくなって恋人的になる人も。笑
それくらい、リードとは末永く付き合っていきたいもんですね。
それ以外での練習方法としては、
合奏の音源などで合わせてやってみるのがいいでしょう。
最初は独奏の音源で合わせていくのも一つの方法ですが、
これだと拍重視で演奏する癖がつきやすくなります。
雅楽の特徴としては「拍子が一定ではない」こと、
これを重きにおくと拍で吹いてしまうと合奏で対応
できなくなることが多々あります。
ですので、合奏の音源などで
龍笛以外の音を理解していく中で吹いていく
練習がいいでしょう。
最初はどこ吹いているかわからなくなったり、
音源の遅さにより息が続かないなど様々な壁に
ぶつかるかとは思いますが、
慣れていくとどこを吹いているかわかりますし、
息も自然と続くように徐々になっていきますので、
根気よくやっていくことが重要です。
「越殿楽」の音源はYouTube上では様々な動画が上がっていますが、
私があげている動画が流れ的側面では
練習がしやすいかと思いますので、
そちらをこちらに貼っておきます。
そんなこんな、
本日は篳篥を始めようと思っている人のために
何を買えばいいのか??
どうやって自分で練習を進めて行ければいいのか??
そのようなブログを書かせていただきました。
LINEにて、無料雅楽講座開講中!
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本日はここまで!