2020.05.18ブログ
三管吹けるマルチプレイヤーのメリット・デメリット
おはようございます。山口です。
本日はマルチプレイヤーについてのお話。
知っているかと思いますが、僕は笙、篳篥、龍笛を演奏できるマルチプレイヤーとして現在活動しております。
今年はコロナのおかげで演奏の仕事は現状皆無に近い状態ですが、昨年は150件の演奏に携わらせていただきました。
とはいえど、元々マルチでやろうとは全く思ってもいませんでした。大学で龍笛やり出した頃とかは龍笛一本でいくんだと思っていたのが懐かしい限りです。
きっかけは一昨年、高校以降手につけていなかった篳篥をちょっと練習してみたんです。
ある講習会が毎月あって、講師の方が龍笛や笙の方ばっかりで、初心者も多く、龍笛を習うにはレベルが低すぎたので篳篥で演奏を引っ張りながら口のリハビリをする感覚でやっていたら、これいけるんじゃね??と思い元宮内庁の先生ににも習ってみました。
昨年、雅楽団体うたまいのつかさでホテルセトレならまちというところで毎週月曜日に演奏をする機会をいただき、篳篥奏者がいなかったことから出演すると、案外周りからも特にNGとも言われることなく演奏ができ、むしろ龍笛より音やばくね??という感じで言われることも多々ありました。
そしたら次は4月に笙がいない状況になり、中学でちょこっとだけ習っていたので、これを機に練習してみようと思い天理高校卒の姉貴に基礎を叩き直してもらい、合奏会などにも参加して感覚をつかみ自主練も1日2時間作って練習しました。
結果、6月にはセトレならまちでの演奏を笙で出演するようになりました。
まだまだ改善点はありますが、もっともっと自己研鑽をしていきたいと思います。
そんな僕だからこそ言える三管演奏家のメリットデメリットを挙げていきたいと思います。
メリット
1、演奏機会がめっちゃ増える!
これは間違いなく増えます。
龍笛だけの時は、龍笛って総人口多いんですよね。
そうすると上手い下手とかよりも、できるかできないかで龍笛しかできない人がいるとまあ演奏機会って作ることができないんですよね。
勿論打ち物や絃ができればそっち側からのオファーもありますが、それよりも三管吹けると本当に色んなところからオファーをいただいて演奏にいかせていただきました。
多分全管30回以上は演奏に携わったかと思います。
まあそれでも持ち管がダントツで多かったのですが…
2、練習会、現場の出欠次第で役割を変えられる
これは自分の会の練習会とかで全然使えたりします。
うちの会は少人数での練習がほとんどのため、3人とかで合奏とかが基本ですが、もし笙と龍笛が1人ずつ来ていたら、自分が篳篥になったり、役割を変えることで三管揃うことになるのが大きな魅力になってくるわけです。
まあトランプで言うジョーカー的存在になるので、1人練習にきてくれたら2管以上の合奏を実現することが可能だったりするわけです。
3、配役を組みやすい
これも会の主宰目線ですが、自分が何でもできることから配役を作りやすくなりました。
最悪自分がどこか入って埋めることができると言うことで、メンバーにこれやってもらいたいなとかそういう思惑もすんなりとできるので、メンバー決めにもバリエーションがでて楽しくできます。
4、他楽器の動きが目にとるようにわかる
演奏者としてわかっている分、自分が吹いていない楽器の吹き方もよくわかります。
流れがわかるので演奏がさらにしやすくなります。
5、合奏練を1人でさばける
高校など教えに行くと、三管演奏できる前は龍笛しかあんまりわからなかったですが、今ではもう全管わかるので、指導もできることから、1人で練習を見ることができるようになりました。
勿論各管1人ずつがいいですが、1人でもある程度のことは伝えることができるのでこれは便利でいいなと思いました。
6、マンツーマンレッスンで合奏ができる
生徒さんのマンツーマンレッスンもやっているのですが、生徒さんとは別の楽器で練習することで、管別で合奏ができちゃいます。
これのおかげでちゃんとした合奏の前から他管のことも教えれるので、要領良くお稽古を進めることができます。
デメリット
1、持ち管が何かが人に伝わっていない
持ち管は龍笛ですが、どうも他の管で現場に行くと、その演奏している管が持ち管と思われやすいようで、結構間違われます。笑
まあ越殿楽とか初心者でやる曲だけじゃなく、笙でも篳篥でも舞楽とか演奏してますしね。笑
2、練習時間が圧倒的に足りない
全管練習なんて時間がまあたりません。笑
それでも分散して練習をするようにしていますが難しいですね。
これは1番の課題です!
3、中途半端になりやすい
やっぱり練習が分散するので、大抵の3管吹ける人ってのは中途半端です。
練習時間とかの問題もありますし、まあ一つのこと集中してる人にはまあ敵いません。練習時間には負けてしまうんで。
4、無茶ぶりが増える
これはやばい!本当に増えます。
昨年は3日前に笙に変わったり、当日まで配役決まらなかった演奏だってありました。
管絃笙ででて、舞楽龍笛になったりもありました。
5、打ち物の時聞きすぎて叩き忘れる
これは三管できる特有ですね。どう吹くかききすぎるんですよね。笑
そしたら叩き忘れることが多くなりました。笑申し訳ない限り。
これは集中してやらないといけないなと思う限りです。
という感じでいかがでしたでしょうか??
マルチプレイヤーを目指される方いると思いますが、まあ中途半端になりやすいで、まずは持ち管を極めることをお勧めします。
今日はここまで!