2020.05.10ブログ
これからの雅楽界は多様化が必要!一つだけできても使い物にならない時代が到来なわけ
おはようございます。山口です。
本日はこれまでの雅楽界の個人での演奏スタイルについてのお話、これからの演奏スタイルのお話をさせていただきたいと思います。
まず、今までの雅楽界というのはどういうものだったのか??というと
一管+パートが一つor二つが主流でした
●鳳笙or篳篥or龍笛のいづれか一つ
●筝or琵琶のいづれか一つ
●右舞or左舞のいづれか一つ
●打ち物
上記のいづれか一つという団体も多くあります。
大学の部活動などはパートはいづれか一つが多かったのがここ最近です。
最近は人数の減少で不足になっているパートも多く、1人二つやってる人もいるみたいですが…
この制度というのは今までは良かったわけです。人数もある程度多かった団体も多く、日本人の特性で、自己犠牲をしてずっとやって我慢してる人がいてもまあなんとか回せていけてたのが現実です。
しかし、これにはまあ限界があります。
僕がいた天理大学雅楽部では、例年の如く龍笛が多く、打ち物をたたける人が全くおらず、4年間鞨鼓ばっかりの子や、4年間太鼓しか叩けていない子などを量産していました。
OBになっても同様のことがあり、そのように4年間打ち物しかやらない人は卒業後は離脱することが多い為、まともに鞨鼓と太鼓を叩ける人というのがほとんどいなかったりします。
僕も4回生入部ではありますがその1人であり、卒業した後でもOB関係で演奏の際は大体打ち物しか当たらないようになっています
年輩の方が多い演奏などが多いのもあり、こういう世界はやはり上下関係が拭えない事実があるので、打ち物をやってた子が必然的に打ち物に、筝や琵琶の子はそこしかあたらないし、舞の人も舞ばっかり専門にやる人だっています。
ただ、打ち物というのは、管絃と舞楽両方あるわけですから、酷い年は定期演奏会などで、管絃と舞楽両方打ち物なんて配役なんかもあります。これを4年間やってた子らのメンタルはすげえなと思えるわけです。
僕は1年だけだったからできた感はありましたが、2年間それしかできなかったら間違いなくブチギレしてただろうな思います。笑
まあ今は打ち物以外の配役の方が多いんで、三管演奏する機会が多くなったあたりから打ち物あたると演奏者がどう演奏するかを楽しみにたたかせてもらっています。
そこで!これからの時代は多様化を提案していきたいわけです。
●1人一管以上
●1人一絃以上
●1人1舞
●打ち物は最低でも太鼓と鉦鼓は全員が叩く
というスタイルを提案します。
なぜかというと、やはりここ最近三管のバランスが崩れているのは仕方ないですが、団体によっては龍笛20人いるのに、笙が3人しかいない…なんてザラだったりするわけです。
そこで僕のような他の楽器を吹ける人がいたら、ここでカバーができるわけです。
篳篥が少ないなら篳篥に入る、笙がいないなら笙に入れる技術を身につければ、
不足の事態になることも少なからずなくなるでしょう。
ただし、だからといってどれか一管だけは極めた上で他の管に手を出して欲しいです。
龍笛があんま上達していない人が別の管をやると、大体が三管の技術が『中途半端』になります。
特に天理関係の教会などの人は三管吹けますよという人多いんですが、そういう人ほど中途半端な技術な人が多いです。
僕も三管やることをある年輩の方から反対をされたこともあります。(篳篥で合奏したら音にビックリされて即座に納得してもらえましたが…笑)
なので、持ち管を極めた上での他の管をすることをお勧めします。
絃も今では筝と琵琶、両方できて問題ないでしょう。わかる方が楽器としても演奏する時に更に吹きやすくなるかと思います。
舞に関しては僕が舞はあんまりわかってないというのもありますが、手が変わるなどの恐れもあることから、両方やることはまあオススメはできません。
特に左舞の人が右舞やると、左舞の手になってしまうことはザラみたいです。
打ち物は鞨鼓はともかく、どの人も最低太鼓と鉦鼓は叩けないときついなーと思います。
僕が所属している雅楽団体『うたまいのつかさ』は、昨年80件ほどの依頼演奏があって、毎回管絃と舞楽をやっておりましたが、
龍笛しか当たらない人、打ち物しかあたらない人などがあったため、今では大学で何やってたかはなしにして、全員最低太鼓と鉦鼓を叩けるようにお願いしました。
そうすれば1人にずっと当てる必要もなく、交代交代で打ち物と管をあてることができるようになったので、非常に配役をつくるバリエーションがでてきました。
また、自分が主宰する天理若手雅楽会も基本的には、1人打ち物1役というルールを作っています。
そうすれば全員が管ができて、打ち物を学ぶことができる、そういう環境をどんどん作っていくことが重要かなと思わせていただいております。
勿論まだ試行錯誤することはありますが、やはり多様化していくことはこれからの時代、雅楽を広める為にも重要なことかなと思います。
皆さんもいろんなことに挑戦してみてはいかがでしょう??
今日はここまで!