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2021.11.24これからの雅楽

雅楽は西洋音楽化してきている!?〜あなたの吹き方は東洋的?西洋的?〜

「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」

 

こんにちは。雅楽演奏家・講師を察せていただいております、

山口創一郎です。



突然ですがあなたの吹き方は東洋的なのか??西洋的なのか??

 

そんなこと聞かれても一体何のこっちゃ??

わかりませんよね。

 

日本人である、僕たちは、東洋地域の人間ではあるものの、

 

戦後以降にこれまで習ってきた音楽教育というのは

西洋音楽が大半でした。

 

そのおかげなのか、音楽にのみならず、

最近はどの分野においても西洋と

 

混在していることが多くあったりします。

 

医療・思想・音楽・スポーツ・車などなど・・・

 

実は気付かぬうちに、雅楽の吹き方においても、

 

ここ最近ではかなり西洋寄りになってきている、

 

僕は様々な奏者の音を演奏会やビデオなどを見て聞かせていただき、

 

そう感じることが多くあります。

 

んじゃあこの東洋的・西洋的って何が違うのか??

 

そこをまず解説していくわけですが

 

西洋的とはどう言ったものなのか??


 

これは簡単に言えば、

全てを論理的に音楽を作っていくというところです。

 

音程であったり、リズムにしてもそうですし、

 

音量などもどちらかといえばコンサートホールを響かすような吹き方

 

我を出すというよりも、

 

ひたすら合わせに合わせて演奏をしていくといった

具合でしょうか??

 

西洋の楽器の演奏では「指揮者」がいることが必須になっていますが

 

その指揮者の指示に従って演奏し、

五線譜の檻の中で演奏を展開していく。

 

コンクールというものはいい例で、

 

その檻の中でいかに教科書通りに演奏ができるのか??

が評価対象になり、

 

教科書に沿っていない演奏法をすれば

 

下手くそ扱いされるといった形になるわけですね。

 

そういった1+1=2のような演奏の仕方をしていくというのが

ある種西洋的な吹き方という具合です。

 

雅楽は五線譜ではないにせよ、

 

これによった演奏の仕方というのは最近では

 

だいぶとどの団体においてもそうですし、

 

恐らく宮内庁の現役の楽師の先生でもその傾向が

強い先生もおられたりします。

(明治時代の時点でも譜面の五線譜化などが実施されたほど)

 

というより、宮内庁の先生は洋楽、

オケの楽器も習熟しないといけない立場にあれば

 

芸大や音大で雅楽を習熟する方というのも、

大方は西洋寄りの音楽教育を受けてきている分

 

無意識的、潜在的に雅楽の演奏の仕方も

「西洋寄り」になる方が多かったりします。

 

最近では演奏者同士の交流も多くなってからか

宮内庁や音大・芸大ではない

 

雅楽関係の方でも西洋的な雅楽演奏をする

奏者も増えてきたように思えます。

 

西洋的な雅楽演奏の特徴的な音色としては

 

ダイナミックさよりも繊細さを重視し、音を綺麗に吹く傾向が強く

 

鳳笙であればハリをそこまでせずに、

手移りであったり、音色を重視して聞かせる演奏方法をすれば

 

篳篥も繊細な音の出し方、

ある種篳篥っぽさがない演奏の仕方をされる方がそうでしょう。

 

東儀秀樹さんの篳篥の吹き方などは典型的な吹き方でしょう。

 

龍笛もフルートみたいにビブラートかけはしないものの、

そんなに太くない繊細な綺麗な音を出す傾向の人が多く、

 

要は全てを綺麗さを求める傾向があり、

 

テンポや曲の流れも決まった形で上がる、ある種故意的に作っていく演奏などがそんな演奏といったところでしょうか??

 

毎度終わる分数が決まる演奏とかはいい例でしょう。

 

合わせることに特化した演奏の仕方をしていることが特徴的です。

 

これはもちろん聴き心地としては良いものだったりしますが、

 

言ったら怒られるんですが、

 

はっきり一言で言うと

 

「面白くない」

 

演奏になることがしばしばあります。笑

 

とある演奏会に行くと、技術は十分!でも何か面白くない。

 

そう言ったことを感じることも最近では多くなり、

 

演奏会に行かなくなっていくということも多かったり・・・

(演奏家なんだから行けよww)

 

んじゃあ東洋的というのはどういうものか??

 

一言でざっくりという

曖昧さがある中でいかに自然体で演奏していくか??

 

というところがポイントになりますが、

 

雅楽は元々、コンサートホールなどの反響があるところでの

演奏するものではなく、

 

神社やお寺の野外にある舞台で演奏されることが多かったわけです。



そうなると、自然に音を遠く飛ばす吹き方と言うものが必要でした。

 

ガツガツ音量を重視して吹く吹き方をしなければならず、

 

音程を人為的に合わせていくのではなく、音質を自然と合わせ、

 

テンポも自然に気がつけば上がっていき、

 

意識的に合わせようとしなくても

 

無意識的、潜在的に勝手に合う演奏ができたりするわけです。

 

ある意味、シナジーを生み出す音であったり流れを

 

作っていくと言うところにあります。

 

そもそも譜面も曖昧にできている故、

 

唱歌で合わせるというこれまた言葉で説明しきれない、

 

そのような論理的に合わせるのではなく、

 

感性で自然と合わせていく技量が必要になるわけです。

 

その関係上、吹き方と言うのがどの楽器の奏者もガツガツした

 

演奏の仕方が主流になります。

 

鳳笙を演奏している人はハリを重視してインジャの位置を自然に調和する演奏法をすれば、

 

篳篥もガッツリ音を出していくことで演奏全体をガンガン引っ張っていく。

 

そして龍笛も、音頭の部分から前へ飛ばして遠鳴りさせるくらい、

ガツガツ音を出して、その場で龍が唸るような音を出していく。

 

その迫力あふれる演奏だからこそ、周りの心を動かす演奏になりやすい反面、

多少演奏が荒削りになるところがあることは否めないでしょう。

 

最近ではだいぶとこのようなゴリゴリ東洋的な演奏法をされている方は減ったとはいえど、

 

雅楽の本質はこの演奏法にあると僕は見ています。

 

一度も会ったことがない方と当日演奏する機会というのが

一昨年より増えましたが、

そんな時でもこの感覚が身についていれば勝手に合います。

 

これが雅楽の不思議なところで面白いところだったりもするんですね。

 

とはいえ、時代は変遷していき、

 

西洋化と言うものはあらゆるところで起きてきているわけですが、

 

ここで重要なのは、

 

どちらがいい、悪い、と言うことではないことです。


 

どちらもいいんです。

 

ただ、どちらかに偏りすぎると、

 

それはそれで本来の雅楽らしさと言うものは無くなっていくでしょう。

 

僕はどちらかと言えば、

今でも東洋的な吹き方をしている代表例の人間です。

 

とは言え、自分の演奏法には西洋的な部分も取り組む努力はさせていただいています。

 

音程を合わせるにしてもそうですし、指写りの軽快さと言うものは、

 

極力西洋的な観点がなければ習得が難しい部分があるからです。

 

室内で吹くときと、外で吹く時、

 

その場合によって吹き方を変えるときも最近ではあります。

 

これは笙にしても、篳篥にしても、最近教えさせていただいている歌にしても、

 

この相容れない東洋的・西洋的な吹き方を融合させていくからこそ

 

新しい演奏スタイルもできれば、

 

誰も出せないような音を作っていけると信じているからです。

 

実際、最近は西洋と東洋の融合はかなり

ビジネスのシーンでも使用されていたりします。

 

アメリカのシリコンバレーのようなところでは

仏教の禅、マインドフルネスを取り入れている会社も多ければ

 

茶道や生花などの日本文化を嗜む外人さんが多かったり、

 

会社の経営者として活躍されているビジネスパーソンの中でも、

 

中国古典である「論語」や「老子」を愛読している人が多いほどです。

 

思えば、渋沢栄一さんが執筆した「論語と算盤」も、

そのような相容れない道徳と経済両方を大切にする教えを推奨するくらい、

 

この二つの観点を持っておくのがかなり大切になると見ています。

 

あなたの吹き方は西洋的か??東洋的か??

 

まだ始めてばかりでわかりませんって方も、

 

どちらにせよ、今後は両方の側面を持った雅楽を共に作っていけるように頑張っていきましょう!

 

本日はここまで!
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