2021.10.10ブログ
雅楽サラブレッドと「舞楽会」

「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」
こんにちは。雅楽演奏家・講師をしております、山口創一郎です。

一昨日と昨日と雅楽の練習三昧な2日間となりました。
一昨日は11月3日に開催される榊葉雅楽会の「舞楽会」

そして昨日は10月30日に開催予定の狭山雅(みやび)
「はじめての雅楽Part3」の全体練習日でした。

両方とも近い日程での演奏会。
どちらが大切か??
どちらも本気で取り組みたい!
それが本音です。
というのも実はこの榊葉雅楽会、
僕にとっては演奏家・講師をする中でも
陽雅会や狭山雅(みやび)会の演奏会を開催できているのも、
ここの主宰者の尽力があって成り立っていると言っても
過言ではないくらいです。
人生の行路を彷徨う中での新たな出会い
それは遡ること3年前。
当時の山口はまだ演奏家・講師ではなく、
ビジネスホテルで夜勤をしており、
昼夜逆転生活の中、雅楽の練習をするだけして
演奏機会などがなく、人生の行き路を彷徨っていた
毎日を過ごしていました。
そんなこんなで、SNSを通じてとある方と出会い、
主催している合奏会に
お邪魔した際に、榊葉雅楽会の主宰であるMさんに出会います。

夏祭りのイベントでめちゃめちゃ暑い中、
道楽(外で歩きながら演奏する)をして
汗だくで共に演奏をさせていただいた後に
うなぎ屋でご飯をいただくのですが、
山口は今でもなんですが超人見知りで
「年輩の方になにをはなせばいいのかわからない・・・」
そんな状況で内気な部分もあった為、
参加したメンバーが二手に分かれ、どっちに座ればいいのかわからない僕に
「ここ空いてますよ!どうぞ!」
と言ってくださり、娘さん(当時JK)と3人でご飯をいただいて話すという
奇妙な空間の中ですごしました。笑
この時、僕は初めて出会ったものだと思っていましたが、
Mさんは様々な雅楽演奏会などにもご来場されており、
僕が大学4回生の時の部活動の定期公演にて、
催馬楽の句頭や羯鼓をしていたことを覚えてくださっていたそうで
(その時でも5年前の話)
娘さん(当時は高校生)も聞くところによると、僕が奈良で法人勤務している時代に
開催していた子供向けの雅楽勉強会に講師させていただいていましたが、
まさかのその行事に参加していて、見たことがあったのだとか。
(もちろん山口は受講生多すぎて覚えていない)
そんなこんなで話しているうちにいつの間にか仲良くさせていただき、
その後、神社奉仕などの依頼演奏が多いMさんに
主宰している会に龍笛奏者がいなかったこともあり、
様々な神社等で演奏機会をいただくようになっていきます。
雅楽サラブレッドとの出会い
ある日のMさんの依頼での神社での演奏の際、
1人だけ演者の中に子どもが混じっていました。
「一体誰なんだろう??この子は??」
と思いながら見ている中、演奏のリハーサルが始まると
なんとまさかのその子が舞人として舞い出し、
舞楽蘭陵王という大人でも演奏するのが難しく、
太鼓は複雑な叩き方をする曲でもある中、
その子がパーフェクトで太鼓を叩き切ってしまいます。
僕は愕然としました・・・
「なんだこの子は・・・雅楽サラブレッドか!?」
小学4年生からやっていた僕でさえ、
小学生の頃に篳篥以外(当時は持ち管が篳篥)のことをやったことはありません。
ましてや舞はともかく、
小学生で舞楽の曲を演奏することさえしたことがなかった僕としては
大きな衝撃。
頭から雷がドカンと食らったかのような
感覚というものが残りました。
それが、YouTubeでもコラボさせていただいたスーパー小学
五十鈴君との出会いでした。
そう、このMさんの息子こそが、
小学6年生で舞人・篳篥・
彼と出会い、
演奏機会を作っていくべきだと思い、
当初自分自身で主宰をしていた団体での
初の定期公演に彼に出演していただくことをMさんにお願いしま
(この時、Mさんが何者なのか全然わかっておらず、
会のメンバーから一体何者なのか聞かれても答えに困ることが多
もちろん二言返事で快く承諾していただき、今では五十鈴君は
僕が主宰している演奏会などでは
小学生でありながら、主力メンバーで出演いただいております。
雅楽の演奏会開催は個人でできるものではない

話は変わりますが、雅楽の演奏会というのは、
個人でやるレベルや
一般の団体では到底開催することというのは不可能に近い問題があります。
それは「必要物品が多すぎる」という問題です。
やろうと思えば、殺風景・普段着で演奏するという形ならできなくはないものの、
見栄えが気になりますよね(汗)
まず出演者の装束を揃えることだけでも大変な中、
鳳笙を温める電熱器、打楽器(鞨鼓・太鼓・鉦鼓・三の鼓)や絃楽器(筝・琵琶)
舞人が着る装束や
舞台におく欄干という赤い置物や
舞台中央に引く緑色の地布、周りに敷く白布。
舞人が入場したり、舞楽の際に演奏者が演奏する位置に
毛氈(もうせん)という絨毯をひいたり、
場合によっては置き台と胡床(こしょう、座る椅子)
そして後ろには幕などもつけなければなりません。
(照明のホリゾントを使うところもある)

↑これ全てを揃えるだけでもなかなか困難、、
そのような舞台道具や演者が使う装束・
余裕で数千万円以上はないと揃えることは困難です。
何故こういうことをお伝えしたかというと、
山口は、正直に言えばお金や地位・ツテなども何もない状態で
3年前、
活動を始めていくことになります。
もちろんホテルで働いていた頃の貯金を使い、
自分で購入させていただいたものもあります。
しかし現在でも自分で持っている物品というものは限られています
そんな中、Mさんという方はとある雅楽会で雅楽を習熟された後、
「神様にお供えをする雅楽演奏を追求していきたい!」
そのような思いをもって自ら榊葉雅楽会を結成され、
和歌山・大阪の神社での奉納演奏を積極的に展開されています。
その関係上、一部の演奏会の物品などを毎度毎度
快くお貸しくださり、
この陽雅会・狭山雅(みやび)会での演奏会では
毎回快くお貸しいただけているからこそ
何とか成立している演奏会でもありま
要は僕が個人で演奏会を個人で開催させていただけているのは
Mさんをはじめそれ以外にも周りの方々との協力や支えで現在成り立っていて、
自分1人ではとてもではないですが開催することは
とてもではないですができません。
本当にMさんをはじめ、様々な方のご協力があってこそ、
狭山雅会にしても陽雅会にしても、
演奏会を開催することが成立しています。
感謝しきれないほど、恩を感じさせていただいております。
恩返しの為にも本気で関わる11月3日「舞楽会」
そういったことで毎度毎度お世話になっている故、
今回11月3日に開催予定のMさんが主宰の
榊葉雅楽会の「舞楽会」では
私も練習の龍笛の講師として、
そして龍笛の演者としても出演をさせていただきます。

五十鈴君はこの日は舞楽「振鉾三節」と「陪臚」の舞人!

練習では現在、難曲の舞を1人で華麗に練習しております。
神社の主宰であるMさんの為にも、
来てくださる方々に本当に感動してもらいたい、
より良い演奏を聞いていただきたいのはもちろんのこと、
講師として携わるからには出演する皆様にも
「舞楽会開催してよかったなー」
と思っていただけるような、当日を作れたらと思います。
演奏ももちろん見どころである演奏会なのは間違いないのですが、
今回は舞楽「太平楽」という曲目の装束を
Mさんが一から手作りで作られたものを
初めて披露し、

(これに装束がつきます)
元宮内庁式部職楽部の楽長であった
大窪永夫先生がその装束を身につけて
舞を舞う。
+、Mさんお手製で制作した舞楽「迦陵頻」「胡蝶」の羽を子供たちに装着し、
舞を舞うことも目玉となっています。


非常に目玉となるところが多くある舞楽会となっています。
榊葉雅楽会は名前の通り、
神社の玉串で使われるお榊(さかき)。
お榊=木に神と書くほど、神様とかかわりが深い神聖な植物
この葉っぱを神様にお供えするという由来の元活動しており、
古来の日本では、植物や先端の尖ったものに神様の力が宿ると考えられているそうです。
そんな榊葉という名前の由来の通り、
神様に喜んでもらう奉納を目的に活動しています。
今回は入場料を徴収する演奏会となっていますが
その入場料を神社でいえば玉串料として捉え、
本気で神様に喜んでもらうことを重きにおいて、
この祭り事を勤めさせていただたい。
僕自身もそのような気持ちで今回の舞楽会に
臨ませていただきたいと
思います。
「雅楽って面白い!楽しい!を伝える」
そんな1人であるために
11月3日に向けても、せいせいするほど
雅楽に精進していきたいと思います。
詳細は下記の通り。
〜詳細〜
○日時 11月3日(祝) 開演 14時〜(開場13:00)
○会場 かつらぎ総合文化会館(あじさいホール)
(和歌山県伊都郡かつらぎ町大字丁ノ町2454)
○客演:元宮内庁式部職楽部 首席楽長 大窪 永夫 氏
○入場料 一般(前売り券)2500円 (当日券)3000円
学生(大学・専門・高校)1500円 小中学生 1000円
未就学児無料
○チケット扱い
・かつらぎ総合文化会館「あじさいホール」
TEL 0736-22-3303
榊葉雅楽会 前田
TEL 080-3808ー2628
090-8522ー9325
080ー4707-6022
お問い合わせ 榊葉雅楽会 代表 前田敏宏
TEL 080-3808-2628
主催:榊葉雅楽会・文化庁・厚生労働省・和歌山県・和歌山県教育委員会・第36回国民文化祭・第21回全国障害者芸術・文化祭和歌山県実行委員会
チケット、私の方でも販売しております。
詳しくはお問合せフォームにて。
本日はここまで!
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