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2020.10.26これからの雅楽

雅楽は神社やお寺・天理教などの宗教音楽ではなく、芸術音楽になっていくべき!





こんにちは。山口です。

今日のお話は雅楽は宗教音楽ではなく、芸術音楽になっていくべき理由まとめということで、

今日は音楽としてのジャンルをこうしてほしいなという

ちょーっとお話をしていきたいと思います。

僕が教えている生徒さんであったり、

体験に来られる方の中でもみなさん共通して言うことがあります。

それは雅楽のイメージってどこからくるか?とか言われれば、

大抵の人は「神社」で聞けるものであったり、お寺の法要や天理教の教会で聞いたことがあるなどと、

未だにイメージとしては「宗教音楽」というジャンルで収まっている音楽、そのようなイメージが強いなと僕自身も未だに思ったりするんですね。

しかし、これからはやはり雅楽は宗教音楽ではなく、芸術音楽として、

もっと世間体に見せていくものにしなければならない!

本日はそういった宗教音楽としてではなく、芸術音楽にしていくべき理由をおはなしさせて頂きます。




1,日本全体の無宗教化


まず一つめに、やはり今の日本自体がどうなっているのか?

無宗教化していているところが大きくあります。

無宗教化してきたというより、山口個人としての観点からすれば、

「文化」「芸術」としてまつりごとなどが使われるようになってきた、

そのように見ていいのかなと思うんですね。

日本人は宗教に属していないのに、年の初めに初詣をして、

お節会をし、2月にはバレンタインデーで好きな人にチョコをわたし、

5月のこどもの日には七五三をして、7月には神社などでの夏祭り、

花火大会に行き、8月にはお盆という名で里帰りをし、9月にはお彼岸、

10月にはハロウィンで仮装でバカ騒ぎし、

12月にはクリスマスでプレゼント交換し合い、その後年をこす。

これほど宗教ではなく、

文化やビジネスとして成熟させることが日本という国はめちゃめちゃ

上手いです。これはもう昔から日本が

得意分野としている部分ではないでしょうか?

異国から仏教を取り入れた結果、

インドや中国ではほとんど仏教が現在ない中で日本は今もお寺が多く、

キリスト教のクリスマスやバレンタインをうまいこと

ビジネスイベントに変貌させ、

ハロウィンまでも仮装大会に変化させてしまうくらい、

何かしら宗教のいいところを変遷させて芸術や文化に

変えてしまう能力が日本人はすごく高いんですね。

それも、元々の意義、

そういうものを風化させて進化する芸術チックな部分が

強く出ている行事が多い国であるからこそ、

雅楽も今後は宗教で使われる音楽、

という概念をすっとばしてやっていく必要があるわけです。

形態を変える必要とかはそこまでないかもしれませんが、

人に雅楽という文化を馴染んでもらう、

楽しんでもらうためにはやはり、

宗教という堅苦しい枠組みにとらわれてやるよりも、

芸術として大々的にあげていくこと、雅楽も無宗教化していくこと、

これが非常にもっと強くおしていくことが今後、

伝統音楽として広めれる可能性をつけることができるなと

感じるわけですね。

もちろん、神社やお寺で聞けるという感覚は残してもいいでしょう。

今は神社仏閣を好む若い人も増えてきました。

それをもっと宗教色を出さずにトレンドとして神社やお寺も1つの

芸術・文化・ビジネスとしてどんどん使い倒していくくらいで

やることの方が重要だったりします。

そう考えた時に、宗教音楽としておさまってしまうと

すごくもったいないなと僕は個人的に思ったりするんですよね。

そして2つめ




2,義務的な音楽から好奇心の音楽へ


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宮内庁もそうですが、宗教家として雅楽をされている方というのは、

いえば仕来り、宮内庁であれば皇族関係や決まり事での演奏会

宗教団体としては祭典やイベントなどで雅楽を用いることが多い現代です。

最近は少なくなりましたが、宮内庁などは世襲制

楽家でずっと代々やってきたりという義務的な側面がかなり強かったんですね。

今年は新型コロナウィルスの影響でその祭典ですらも中止になったところも

多かったとは思いますが、

それが一概に悪いと言うつもりはありませんが、

それって雅楽という音楽が素晴らしい!とか、やってみたい!とかそういう観点ではなくて、

祭典や決まり事で雅楽をしている、ていうものになってしまっている

みたいで、

僕的にはすごくなんかなんとも言えない気持ちになってしまうんですね。

そうなってしまうと、雅楽をやる理由ってどこに陥るかといえば、

冠婚葬祭で演奏してお金をもらう、とかであったり、

神様のことだからやりたくはないけど仕方なくやっている

という気持ちでされる方が多くなってしまうんですね。

それでスキになるきっかけになる人だっています。

僕も最初の雅楽を始めるきっかけって

実家の天理教の祭典で演奏するために始めたのがきっかけでした。

でもそういう音楽のままにしておくのは非常にもったいない!

実際それで雅楽を続けたとはいえど、本当におもしろさをわかったのは

高校入って舞楽をやり出してからでした。

雅楽ってこんなにおもしろいんだ。同級生や先輩、

後輩と演奏する合奏がここまでおもしろいんだって

思えたのも高校が初めてでした。

それでも、僕が本気でおもしろいな!と思えだしたのは

本当につい最近のことです。

僕は天理という場所で雅楽を習ってきた人間ですが、

それ以外の演奏家とよばれる方々と演奏する機会が、

ここ2年かなり多くなってきました。

そんな中で、

同じ雅楽でも吹き方やスタンスが全然違うことに

毎回楽しませてもらっています。

同じ雅楽でも文化の違い、それこそが1つの芸術だなとも思ったり

することから、

更に自分自身の演奏をどうすればいいのかを

考えるきっかけにもなったりするんですね。

その好奇心の姿を人に伝えていくこと、

その伝えた生徒さんらが好奇心で更に上達を求めて練習をされる姿を見て、

僕は今も高校以上に雅楽を好きになっていってるんですね。

それは、大学や卒業後に天理教の教会関係や神社で義務でやっていた

雅楽とは比べものにならないくらい、

雅楽の奥深さ、おもしろさを更に学ぶことができている今があります。

その上でどうしても宗教音楽として捉えると義務的なものにより

本当の楽しさを半減させてしまっている、そのような感じなんですね。

そもそも、天理教は立教した時には雅楽は使っていませんでした。

それは、明治時代の内務省秘密訓令の影響で、

神道の一派として活動をする名残で、

神社の祭典に近い形に祭典が作られた結果、

神事で使う楽器などの変遷と加えて祭儀に雅楽が追加された。

ただ単に神様に奉納、

お供えをする慣習から始まった為、

これをいったら炎上しますが、

歴史を見れば、天理教には雅楽というものは不要だったんですね。

教祖が始めたものでもなかったのですから。

でもそれが宗教としての名残・

お決まり事で現在も祭典で雅楽を吹く習慣がつけられているのです。

もちろん、それが神様に本気で喜んで頂く、

そのような気持ちで練習の励みやっていくことには

素晴らしいことなので、否定はしませんが

必ずしないといけない慣習ではなかったりするのが実情です。

そう考えれば、講習会などで小さい頃からイヤイヤ参加させるというのは、

本当に必要だったのか?そういうことも最近は考えたりもします。

そっちよりも、1つの芸術として素晴らしいと思う人たちと雅楽について考える時間というのが、

更に好奇心を生み出し、新しいイノベーションを起こすことができるなと思うことから、

今後雅楽をやる年輩の方も、若手の方も共に雅楽をやっていけて尚かつ、好奇心、やらなくちゃいけないではなく、

スキだから練習をしていく環境をつくっていきたいなと僕自身も感じているんですね。




3,インバウンドの普及


画像3

そしてそして、現在は新型コロナの影響で完全にストップしていますが、

今後インバウンドの普及というのは、まだ止まらないかと思います。

そんな中で、

日本が誇るものをどんどん外国の方に伝える機会というのは、

増えていくことになります。

その時に、この日本音楽のジャンルというのは、

大きなキーポイントになります。

山口は昨年、国際フォーラムなど数々外国人観光客の演奏の依頼にも携わりましたが、

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画像2

やはり海外の方にすごく反響があったことを覚えています。

現在海外に日本の文化で今すごく取りあげられているのは、

仏教の禅【ぜん】、通称マインドフルネスという瞑想があげられます。

アメリカの経営者などにもかなり取り入れられているものですが、

それは【宗教】というよりも、というのは仏様の要素が弱く、

1つのメソッド、方法論として、いわば1つの文化・芸術の1つとして取り入れられていることが多くあります。

平たく言えば、座って自分自身に問答するタイプと、とりあえず座ること、無になりなさい。と言われる二通りがありますが、

 

南無阿弥陀仏や南無法蓮華経など称える必要がないので、
宗教っぽさがないんですね。

仏教史の中でも、仏や経典を信仰した浄土宗日蓮宗などは日本史の中でも弾圧されていいますが、

を主軸とした臨済宗曹洞宗などは、むしろ徳川の時代にも取り入れていた文化でした。

そういった意味でも、雅楽も単なる宗教音楽としてしていくだけではなく、

日本・世界に向けて芸術として広めていくこと、

この気持ちを持つ事が非常に重要だと僕は思うんですね。

インバウンドは今完全止まっていますが、

これがおさまれば必ず戻ってくるでしょう。

その時に日本だけでなく、世界に雅楽という芸術を見せていくことが、

今後伝統音楽のよさを人に伝える1つの方法になっていくことでしょう。

そして来年には東京五輪、2025年には大阪万博です。

万博は東京五輪よりも経済効果がでかいと現在推測される学者さんもいます。

こういうところでこそ、更に日本の芸術文化を見せていく上でも、

宗教音楽としてではなく1つの芸術音楽として

雅楽を世の中の人に知ってもらうこと

これを更に推進できたらと思うわけですね。

話しているだけで非常に楽しみになってきますね。

とはいえ、山口にはちょっとでかすぎた話しでした。

今後は雅楽を通して更にみなさんが楽しい!おもしろい!もっとやりたい!

とおもっていただくためにも、

コツコツと動画更新やお稽古・演奏に励むまでです。

まとめ


1, 日本全体の無宗教化
2, 義務から好奇心の雅楽へ
3, インバウンド・大阪万博


という感じで、今後はさらに芸術らしさ、そういうものを追求できる雅楽を僕自身もやっていけたらと思うわけですね。

本日の話しはちょっと難しい話しだったかもしれませんが、

山口創一郎の雅楽ちゃんねるではこのように、

雅楽を題材としたお話、初心者向けのレクチャーの動画などを随時、

アップをさせていただいております。

まだチャンネル登録されていない方は是非ぽちっとお願いしたいと思います。


このちゃんねるは基本的に無料!無料で雅楽のことを知れる斬新なちゃんねるになっておりますので、ぜひご活用下さい。

というわけで本日はここまで!ご静聴ありがとうございました。

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