2020.03.20これからの雅楽
世界最古の音楽雅楽 何故広まらないのか??世襲制の観点から

皆さんこんにちは。雅楽演奏家をしております、山口創一郎でございます。
本日のお題は雅楽は何故広まらないのか??
皆さんもご承知かと思いますが、雅楽というのはこの国の伝統音楽でもあり、世界最古の音楽、また宮内庁の演奏に関してはユネスコの世界無形文化遺産に登録されているほど、由緒ある誇れる伝統音楽なわけです。
そんな誇れるもののはずが、実は日本では知らない人の方が多いわけなんです。ビックリですよね。
何故聖徳太子の時代から伝来してきたはずのものが、ここまで浸透しづらかったのか??
本日はそんな内容を私なりに解説をしていきたいと思います。
目次
歴史的な経緯
まずはじめに時は遡り奈良時代、雅楽寮という組織が設置され、大流行したのは平安時代。
実は雅楽が1番流行したといわれているのは平安時代。京都の大内楽所、奈良の南都楽所、そして大阪の天王寺楽所の三つの『三方楽所』が関西に存在したり、『源氏物語』や『徒然草』が執筆された頃が1番流行していたものだといわれております。
この時代というのは、『貴族』と『平民』という人の中で位があったわけですが、雅楽は『貴族』の趣味で演奏されていたと言われています。
それによって楽家というものが登場し、その楽家によって後世に伝来していったのが特色としてあります。要は『世襲制』を取り込んだわけですね。
その後、室町時代になると『応仁の乱』によって廃絶した曲も出てきますが、戦国時代になると織田信長達によって保護され、また盛んになっていきました。(雅楽の演奏会などで後ろについてる幕の紋というのは、織田家の家紋だそうです)
現在の宮内庁楽部が設置されたのは明治に入ってからになります。
現代の雅楽演奏者達の特色
それまで、楽家というもので伝承を行なってきたのです。俳優で雅楽演奏家として活動されている東儀秀樹さんもその1人であり、東儀家として雅楽を今世まで伝承されてきているのです。
まあ、そのような名残があってしまった結果、今世まで宮内庁内部でも楽家でメンバーが大半を占めており、つい最近までは民間での雅楽団体というのは非常に少なかったわけです。
これは各団体でも根強く残っているのが明白です。
四天王寺雅亮会、先ほど出てきた『天王寺楽所』や大阪楽所などでも、身内のメンバーが
多かったりするわけです。
日本の昔の風習上、『親から子へ伝承する』というシステムが現在でも根強いのが現実です。
若手の人はどんどん広げていきたい!
そんな私も、狭山雅会という家族が中心メンバーで演奏活動をしている楽家のようなものですが…
そんな中でも雅楽はもっと広げていけると私は本気で思っております。
民間の団体も増えてきており、雅楽の演奏会も全国各地で開催されるようになってきました。
私も現在では年に2回『天理若手雅楽会』と『狭山雅会』の演奏会を主催させていただいている現状でございます。
私自身がもう一つ変えていきたいのは『雅楽演奏家をするメンバーの若年化』を1番勧めていきたいのが現状です。
先日、別の雅楽団体の関係の方々と会合をさせていただいた際に、色々と活動を広げていく中で、やはり年輩の方々が装束を着てやるより、僕たちのような若いメンバーが装束を着て演奏やワークショップをやった方が映えるというやりとりをしましたが、まさにその通りかと思います。
実際、演奏会のフライヤーなどを作る際も、天理若手雅楽会の演奏会の写真というのは非常に使いやすいのです。笑
装束の色合いは勿論のこと、美容に気を使う年代のメンバーが多い為、写真や動画にすると非常に使用しやすいのです。
年輩の方々で一生懸命されている方には非常に恐縮ですが…笑 まあ、それが現代として当たり前でしょうが。
これは余談でしたが…
天理若手雅楽会にしても、そのほかの雅楽団体にしてもこれから進めていきたいのは『自分らに合った雅楽の続け方・広め方』です。
私自身も現在YouTubeで唱歌と独奏、またはこのような話系の配信も始めていく予定ですが、『今だからこそできる広め方』を推奨していきたいと思っております。
そんなこんなで、私も山口創一郎も若さを武器に、6月にこんなイベントに演奏者として協力させていただくことになりました!
『雅な戯れ』
天理若手雅楽会のメンバー以外での初の、若年層雅楽奏者でセッションをさせていただきます!
今から非常に楽しみにしております。
源氏物語をテーマに、話と演奏、その他お楽しみな企画がありますので是非ご参加をお待ちしております!
本日はここまで!
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